中国と日本ではたらき自由を目指すビジネスマン

10年8月~17年4月、中国上海で広告の仕事。17年5月に日本へ帰国、中国×金融×マーケティング。自己研鑽を重ね49歳に完全自由を得る過程を綴る。

中国にいた元広告代理店マンのリアル-アリババとテンセントの広告会社としてのパワーの記事を読んで

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この記事を読みました。

digiday.jp

 

僕は中国にいた時、広告代理店に勤めていたのですが、全く同じ意見です。

アリババ、テンセントの広告会社、と言うより、

媒体社&プラットフォーマーとしてのパワーは物凄いです。

 

いくつか僕が実際に体験した事例も含めて実情を紹介したいと思います。

 

日本のようにメディアバイイングは代理店を通さないのが主流

日本で広告主がテレビ、雑誌、新聞、ネットなどに広告を出す場合、

ほとんどが電通や博報堂などの代理店を経由して広告を掲載します。

 

広告代理店は

・広告主側への媒体管理費

・媒体社側への発注ボリュームによるディスカウント交渉でのコスト圧縮

で利益を出しています。

 

しかし中国では、広告主は代理店を通す習慣がありません。

だから広告主も直接媒体社へ発注します。

 

特にアリババ、テンセントも既に広告管理画面を持っており、

人を介さず広告素材の入稿、決済ができてしまうので、

アカウントさえあれば完全インハウスで広告出稿ができてしまいます。

 

僕もある日、Youkuで動画を見ていたらクライアントの広告が出てきて、

聞けば、中国人スタッフが自分で入稿した、なんてことがありました。

 

媒体社も代理店経由を嫌う

媒体社には2つの営業部門があるのが普通です。

 

・直客

・渠道

と呼ばれるもので、直客はその名の通り直接広告主に向き合い、

渠道は代理店に向き合うといった具合です。

 

ややこしいのは、この2つの窓口から出される価格が違うんですね。

 

一度経験したのは、同じ広告主に、同じ媒体で、違う窓口から価格が提示され、

かなりモメたことがありました。。。。。

 

僕(代理店)に向き合ってくれていた媒体の営業担当から価格が出てきたので、

それに少し利益を載せてクライアントに提示。

この際、クライアントには数%の管理費も入れて提示していました。

 

時を同じくして、媒体の直客担当が、そのまま、ネット価格で媒体価格を提示。

 

僕の価格は代理店の利益+管理費で高くなっているので、クライアントから

「どういうこと?」と呼び出され、こっぴどく怒られたことがありました。。。。

 

媒体社によってはうまく付き合える会社もあるのですが、パートナーというよりも

いつ出し抜かれるか分からない危険な奴ら、と思って接していました。

 

 

淘外(タオワイ)と淘内(タオネイ)という概念

もうすぐW11と呼ばれる中国で最もネットショッピングが盛り上がる日がやってきます。

 

中国に進出している日系企業もECへ力を入れているのですが、ECに力を入れれば

入れるほど、広告代理店が入る余地は少なくなってきます。

 

ECは極限にまで内製化しコストを抑えることが肝なので、

サイト制作、商品の撮影、広告、など代理店が得意とするところは内製化されます。

 

日本のECでは

・Yahoo、Googleから検索連動型広告で自社ECサイトへ

・DSPやGoogleのアドネットワークから自社運営の楽天サイトへ

という流れでコンバージョン(成約)につなげられるので、

まだ広告代理店にはチャンスがあります。

 

しかし中国のECは様相が違います。

 

アリババが運営する天猫と呼ばれるモールのパワーが強すぎるので、

ほとんど自社ECサイトというものがありません

 

購入意欲のある人は直接、天猫内で検索をし、コンバージョンします。

天猫内で検索したキーワードに連動して出す「直通車」という広告メニューもあります。

 

他方、百度で検索をする人に広告を出しても、コンバージョンレートは低く、

単純に広告費用対効果で見ると、断然「直通車」の方がCPAが低くなります。

 

アリババが運営する天猫や淘宝の中で出す広告のことを「淘内」と呼んでいて、

 

その外からの広告を「淘外」と呼んでいました。

 

この淘内広告の管理画面は、天猫のショップ運営のアカウントと連結しているので、

もちろんですが、広告主が自ら出稿管理します。

そのためやはり広告代理店の出番はありません。

更に淘外広告は、効果が無いことはないのですが、どうしても淘内広告に

予算を多めに振り分けられるため、やはり広告代理店の実入りは少なくなってしまうのです。

 

W11の時になると「淘内」に、あらゆる広告主が出稿したがるので広告価格が

暴騰し、数千万や1億円レベルでは到底、良い広告位置は取れません。

そのためより、淘内広告に予算を大きく振り向ける傾向になってしまうのです。

 

昨年のW11に関する記事はこちらから↓

 

www.china-b-japan.org

 

www.china-b-japan.org

 

 

書きながら思い出してきて、何か疲れた。。。。

 

もちろん中国においても広告代理店という仕事は、これからも必要になるし、

無くなることはないと思うけれど、利益の出し方は違った方法になると思う。

具体的には知らないけど。