10年8月~17年4月、中国上海で広告の仕事。17年5月に日本へ帰国、中国×金融×マーケティング

春眠暁を覚えず、という漢詩はなぜ美しいのか?

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ある日、2歳の子どもと話しているといきなり、流暢な中国語で、

何やら言い出した。

 

何を言っているのか聞き取れないけど、正確に発音をしてるっぽい。

ちょっとリズミカルだったので、歌?と思っていると、嫁が

「今、彼はとても正確な発音で、漢詩を歌ったよ」

と言った。

 

なるほど、どうりで僕には聞き取れないわけだ。

 

彼が歌ったのは、僕達日本人も国語の時間に習う「春眠暁を覚えず」だった。

悔しいのは、僕も歌えない漢詩を、若干2歳の息子が歌えること。

なので、僕も暗記して、今は歌えるようになった。

しかしもっと悔しいのは、息子に発音を訂正されながら覚えたことだ。

 

さて、「春眠暁を覚えず」という漢詩を、中国語で覚えて、

実際に言葉として発音してみると、心地よく、美しいと思った。

 

中文での全文はこうだ。

 

春眠不觉晓

处处闻啼鸟

夜来风雨声

花落知多少

 

なんで、美しく思ったのか?考えてみたら、理由はこうだった。

たかが、6年中国に住んだ日本人が感じる美しさなので、

中国人が感じる美しさ、とは違うと思うのだが、書いてみる。

 

・巻舌音が文頭または文末に入っているから

 

全文をピンインで表記するとこのようになる。

chun mian bu jue xiao

chu chu wen ti niao

ye lai feng yu sheng

hua luo zhi duo shao

赤字で書いてあるのが巻舌音と呼ばれる、舌を巻いて発音する箇所なのだが、

1文に対して、巻舌音が文頭・文末に入っている。

これにより、発音時に息が抜けて、発音した時の美しさが際立っている気がする。

 

・リズムが良い

中国語には四声と呼ばれる発音の仕方がある。

ここでは四声の詳しい説明をしないが、「春眠暁を覚えず」を、

声を出して発音をすると、流れるようで、リズミカルな印象を受ける。

 

日本人なら、五・七・五の文章を聞くと、リズミカルな印象を受けると思うが、

これと同じような感覚だろうか。

赤信号、みんなで渡れば、怖くない

というふざけた文章でも、リズミカルな印象を受けるから不思議だ。

 

 

今まで、中国語習得の目的は、中国で生き残るため。

しかし、ちょっと余裕が出て来たので、ここらで漢詩を嗜むのも

いいかもしれない、と思った。

 

それにしても、2歳の息子。

2,3回、嫁から教えてもらっただけで漢詩を習得してしまったらしい。

僕なんか、何回も発音しまくって覚えたのに。

悔しい

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