私も知りませんでしたが、これまでアルツハイマーに効果のある薬は17年以上も認可、発売されていませんでした。中国に限らず世界中で、です。
しかし上海に本拠地がある上海緑谷製薬が2019年11月2日に中国国家薬品監督管理局から「九期一」というアルツハイマーの薬が認可されました。
商品名 | 通称 | 型番 |
九期一 | 甘露特钠 | GV-971 |
開発は中国科学院上海薬物研究所の耿美玉氏と、上海緑谷製薬の共同開発メンバーによって行われました。
下記写真の前列、左側の女性が耿美玉さんです。
1997年、 中国科学院上海薬物研究所の耿美玉氏が有効と思われる物質を発見。
2006年、中国薬物臨床試験の許可を得る。
2007年、12月に第一期臨床試験開始
2009年、上海緑谷製薬が九期一の研究開発権を取得
2013年、第二期臨床試験開始
2014年、第三期臨床試験開始
2018年、7月第三期臨床試験完了
2018年、10月中国政府へ新薬製造及び販売許可を申請
同じく第三期臨床試験の結果を「第11回国際アルツハイマー(AD)臨床研究大会」で発表
2019年、10月研究成果を「Cell Research」で発表。
2019年、11月 中国国家薬品監督管理局 から許可取得、正式発売へ。
2019年、12月29日、北京において中国国内での発売開始を発表。
九期一がどうアルツハイマーに効くのか、専門用語が多いので分かりませんが、わかる範囲で九期一の中国語Webサイトを読んでみました。
ポイントを列挙します。
つまり、この薬は直接、脳に影響しているのではなく、腸内の細菌バランスにフォーカスしているのです。
リンク先の文章には更に腸内細菌が、肥満や糖尿病、脳血管疾患、精神疾患などにも影響すると続けています。
実は私の祖母も重度のアルツハイマー病にかかりました。
小学校5年のときに、父方の祖母と同居が始まったのですが、大学受験を控えた高校2年後半にはもう僕のことも徐々に忘れていました。
母への当たりがどんどん強くなり、それを間近で見ていた私は、心の底から肉親である祖母を憎んだこともありました。
しかし、最後は101歳の大往生。母も「祖母はどんどん自分や自分の子供や孫のことが分からなくなっていった。それが怖くて怖くてついつい私達に当たっていただけ。祖母がいたから今の私でいられる。」と怨恨を残してらず、私もそんな母を見て、祖母に対しての憎しみは無くなりました。
とはいえ、やはりあのような経験はしない方が良いです。また日本や中国では超高齢社会になり、老老介護が当たり前になる時代が来るでしょう。もしこの薬が本当にアルツハイマーに効用があるなら、日本もこの薬を輸入し普及をさせてもらいたいです。