前、記事にする予定にしていた「2016年 中国モバイル(スマホ)端末白書」。
かいつまんで、ポイントとなるところを日本語で解説したいと思います。
これを読めば、中国にスマホ、とくにアプリ事情が99%分かるとニュースサイトで
紹介されていたので、参考になれば幸いです。
元データのリンクはこちら。
黒文字は資料に記載されているポイントを事実を箇条書きにしたもの、
赤文字は僕のコメント・私見・補足事項で追記したものです。
元データの90%くらい網羅していて、内容が豊富すぎるので記事2回に分けて紹介。
中国におけるスマホの台数は12.8億台。
1人で2台、3台持っている人いますからね。
2015年の1年間では
・2級都市以上(つまり都会)、3級都市(要は田舎)では3級都市の方が占有率が高い
・年代別では90年代生まれと74年前が伸びていた
田舎ではPCからではなくスマホからネットに接続する方が多い、
と何かの資料で見た気がするから(曖昧)、そういうことなのだと思います。
・アプリの数は2015年には百万を突破、2011年の数十倍
・しかしユーザーのアプリ平均インストール数は40前後で変わらず
・選ばれるアプリの競争はより激化している
・アプリの開発者は2012年には個人、企業ではほぼ50%ずつだった
・2015年には企業が81%、個人が19%となっている
・アプリ供給の増加に伴い偽物アプリも14年→15年で2倍以上
・偽物アプリの種類は「ユーティリティ系(27%)」「便利生活系(20%)」で約半分
・偽物アプリの中で個人情報を抜き取るようなトロイの木馬が71%で最多
・その次に悪意のある広告が出てくるのが26%
・SNS系、動画放送系アプリはダウンロード数が多いが、既に数社の寡占状態(赤枠)
・赤ちゃん系、健康医療系はこれから伸びる可能性が大きい(青枠)
動画はYouku、Tudou、Sohu、Aiqiyi、SNSでは微信・QQ・微博に握られてます。
確かに寡占状態で、既に王者が確定しています。
・検索ボリュームが多いのはSNS系、ライフスタイル系、読書系がBEST3(緑)
・ユーザー忠誠度が高い(アンインストールされにくい)のはSNS、金融理財系、赤ちゃん系がBEST3(紫)
・单机游戏(ネット接続することなくプレイできるゲーム)では、ぷよぷよ/テトリスのような消除游戏の種類が多く既にレッドオーシャン状態(左)
・网络游戏(ネット接続してプレイするゲーム)ではカードゲーム系で既にレッドオーシャン、シューティングゲームでは種類が少なくブルーオーシャン。(右)
・90年代生まれのアプリ開発者がこれから増えてきて、新しいアプリが供給される
・95年以降生まれのユーザーがこれから需要者として増えてくる
・95年以降のユーザーは個性が強く、インストールするAPPもバラつきが出る
・TOP1000のアプリが大半を占めていたが、これが瓦解し始め、分散する
・1級都市では自分の要求を満足するか、2、3級都市では口コミがアプリをインストールするかどうかのポイントになる
・男女でもより明確にインストールするアプリに違いが出てくる
・アプリ開発はより使用するターゲットに合わせて創る必要が出てくる
このページの翻訳は難しい・・・・多分
・アプリの中で共有や交流ができるSNS機能をつけることで、よりユーザーの忠誠度が上がり、アプリを長く使ってもらえる→運営母体企業の収益になりやすい
ということだと思います。
※社区とは
中国ではマンション物件単位で社区というエリア分けがされており、柵で囲まれています。この単位を社区と呼んでいて、このエリアを管理する管理会社を物業会社と呼んでいます。
・社区O2Oサービスのアプリダウンロードが2015年下半期に伸びた
・TOP4のアプリのが40%程度占めており、まだ市場の王者が決まっていない
社区O2Oアプリとは例えばこういうのを指すようです。
家にいながら野菜や惣菜を買って届けてくれる(ネットスーパー)、
出前を頼むことができる。
社区を管理する物業会社向けに、鍵付きロッカーを提供。
ネットで購入し家に届けたけど不在の時にロッカーに預けられる。
・2015年は越境EC元年、ブラックフライデーセールを機に大きく伸びた
・TOP4のアプリのが40%程度占めており、まだ市場の王者が決まっていない
例として挙げられているアプリは
他にも色々ありますが、紹介は次の機会で。
・医療系アプリは堅調な伸び。最近では保険会社との提携も見られ、マネタイズに向けた取組が見られる。
・妊婦向け、高齢者向けに重宝される可能性が高く、金脈になる可能性有り
例として挙げられていたアプリは
平安保険、平安証券などを運営する平安集団が運営。
これは感動した。中国の教育アプリ、スゲー進んでます。
・K12(幼稚園から12歳まで)向け教育アプリが伸びてきている
・問題のスキャン→ネット学校という流れでマネタイズが成功しているケース
・将来的に自分に合ったカリキュラムができるようになるはず
例で紹介されていたアプリの公式サイトがこちらなんですが、すごいです。
分からない問題をスマホで撮影して送ると、
アプリの向こうにいる先生が解説付きで答えてくれる。
補習も音声でしてくれる。
最新の問題、例題集も豊富。
・現代人は健康管理に気をつけ始めており、健康系アプリも伸びてきている
・ウェアラブル端末も普及しはじめ、それと連動するアプリも増えてきている
例で紹介されていたアプリがこちら。
・ニュースチェックがポータルサイトからキュレーションアプリへ変化
・今日头条などのアプリにより2015年は大きくキュレーションアプリが伸びた
僕も使ってますが、マジ便利。この会社の株買いたい。
・95年、00年以降生まれの若い世代にとって、ACGと二次元文化はネット文化を形成する大きな要素
・弾幕(ニコ動で映像の中に流れるコメントのこと)とアニメはオタクアプリの主流
※ACG
Animation、Comic、Gameの略。
最近はNobel(オンライン小説)も入ってACGNとすることも。
※二次元文化
二次元、つまりアニメの文化だということだと思います。
例として紹介されているアプリは
これは知らなかった。どうやら曜日ごとに新しいアニメがアップされてるっぽい。
今度インストールしてみよう。
・2015年は生中継アプリ(ライブストリーム)が勃興
・国外ではPERISCOPE、Meerkatなどが伸びたが国内でも同種のアプリが登場
・モバイルのネット速度向上、パケット費用の低減から95年、00年以降生まれの若いユーザーを中心に、ライブストリームが普通の時代に
・中国ネットユーザーの生中継時代がもうすぐやってくる
前に何度か紹介しました生中継アプリ(ライブストリーム)も伸びてます。
TOP4のアプリでまだ15%の市場占有率しかないので、これから淘汰が始まる模様。
今日はここまで。つづきは明日以降で紹介します。