10年8月~17年4月、中国上海で広告の仕事。17年5月に日本へ帰国、中国×金融×マーケティング

台湾のマーケティングでやっていること

私は今、金融会社で中国、台湾、香港向けのマーケティングの仕事をしています。

業界や職種が何かカッコいい響きなので、何かすごいことをやってるような感じがしますが、

全くそんなことはなく、成果を出すために地味な作業を積み重ねています。


さて、タイトルにある「台湾のマーケティングでやっていること」についてです。

2019年9月頃から台湾市場を攻略するべく動いていました。

Twitterのログをみると9月10日に初めて台湾出張へ行っています。

私は2010年から17年まで中国上海で働いていましたし、友人もいますし、妻も中国人なので、

なんとなくですが中国人のことは理解できます。

同じ中国語を話すので台湾も中国のそれと同じように見てしまっていたのですが、

使っている漢字は違うし(台湾は繁体字、中国は簡体字)、微妙に表現方法も違います。

また生活習慣、使われるwebサービスやAPP、商習慣も異なりました。

言葉は分かれど、全く違う環境で試行錯誤してきたのですが、この6ヶ月で少しずつ成果が出てきました。

2019年10月と2020年3月を比較すると月間口座開設数は3倍、ビジネスも2.5倍に増えています。

そして何となくやるべきことが見え、2020年の残り9ヶ月を使えばあと2倍くらいは伸ばせるような印象を持てるようにまでなりました。


これからも僕は新しいRegionにチャレンジしていきたいと思っていますので、その時のために、

小手先の具体的な手法論ではなく、原理原則的な部分を整理したいと思います。

小難しいことを書いていますが、色々なビジネス系の本に書かれていることに収斂されていきます。


自社商品を知る

まずは自社の製品、プロダクトを知ることが先決で、細かい部分まで知ることができれば、できるほど良いです。

僕の取り扱っている金融商品なら、実際に買ったり売ったりするのはもちろん、もっと細かいスペックまで理解すべきです。

優位性があるのは価格?スピード?利便性?独自性?操作性?などなど、あらゆる面から自社の製品・プロダクトを知らなくてはなりません。

競合を知る

その上で、競合が誰で、どんな奴なのか知る必要があります。これも細かい部分まで知るべきです。

僕の場合、中国では競合が100以上ありましたが、台湾では3社くらいしかないことがわかりました。

その後、台湾の現地人にお金を払い、その人の名義で競合3社に口座を開設させ、実際に自分で体験してみました。

自社のプロダクトと比較することで、押し出すべきところがよりクリアになりました。

手順を知る

プロダクトを知る、の中に入るかもしれませんが、顧客がサービスや商品を手にするまでに、

どんな手順・プロセスがあるのか実際に体験することが必要です。

これはサービスでも、消費財でも同じく、顧客がどのような手順を踏まないといけないか実際に体験するべきです。

End to Endで体験、把握すれば、どこに不便や改善点があるか見つけられます。

習慣を体感する

現地の習慣を知る、というレベルではなく、体感しなくてはなりません。

「知る」はネットで検索すればある程度できますが、「体感」は実際に見て、聞いて、話さないとできません。

例えば中国ではチャットツールはWechat、検索は百度がメイン、対して台湾ではLINE、Googleです。

私も台湾へ行く前にネットで検索して何となくは分かっていたのですが、実際に行って、見たことで実感・体感に変わりました。

言葉についても、台湾人と話して簡体字や中国大陸っぽい表現への強いアレルギーを肌で感じることができました。

例えば「この商品を通じて5kg痩せることができます。」という文言の場合を見てみます。

大陸向け过这个产品您可以减5公斤
台湾向け過這個產品您可以減5公斤

注目したいのは文頭の「●●を通じて」の表現です。

大陸向けでは「通过」で、台湾向けでは「透過」になっています。

大陸向けは簡体字なので、これをそのまま繁体字にしたとすると「通過這個產品您可以減5公斤」となります。

Google翻訳を使っても同じです。

しかしこうすると、台湾人は「このサイトは中国人が作ったものだから怪しい」という受け取り方をされる可能性があります。

「通過」ではなく「透過」でないといけないのです。


あとは薄皮を重ねるように

これらの作業は、かなり地道で、派手なことは全くありません。

しかし薄皮を重ねるように継続していると、少しずつ少しずつやることで小さな成功として結実していき、

気がつけば銃弾も通さないような分厚い、圧倒的な成果となるのです。

この過程で得られた経験は他の領域にも転用が可能で、新たなことにもどんどんチャレンジができます。

僕はこれを成長、と定義しています。

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