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中国の料理動画「日食記」と「一人食」に見る、今の中国人が求めること

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最近、というか1年か1年半前くらいからか、

中国でよく見かけるようになった動画があります。

 

それが「日食記」と「一人食」というシリーズの動画です。

料理の作り方を紹介する1分~5分くらいの短編動画です。

YouTubeにも上がっていたので、見てみて下さい。

 

「日食記」の動画

www.youtube.com

 

 「一人食」の動画

www.youtube.com

 

なんかテイストが似ている動画ですが、制作チームは別々です。

 

 

陽光が差す温かい雰囲気で、なんというか岩井俊二監督の動画のよう。

使われている家具、食器は無印良品のような感じ。

ところどころに、おちょことか出てきてちょっと日本風な感じ。

 

料理を作る工程を紹介してはいるけれど、あくまで表現しているのはライフスタイル。

 

例えば日食記の動画の最後にはこんな場面があります。

 

一人で孤独に作った石焼ビビンバを肴に、酒を飲み

ちょっとタバコで一服。タバコが出てくるあたり中国っぽい。

 

コピーは

「冷酷で乱暴な世界の中で」

 

「自分なりの優しい方法で生きていく」

「孤独な人が、幸せではない、とは限らないのだ」

 

 

今の中国人、若い人は、経済的・精神的に大きなプレッシャーの中に置かれています。

 

日本より激しい競争社会、皆が周りの人よりもっとよりよい生活を求めて

ぶつかりあっている、上がり続ける不動産価格、なかなか上がらない給料、職位、

年齢ばかり重ねる自分、抱いていた理想と現実とのGAP。

 

田舎から上海に出てくれば高い給与で、高層マンションに住み、

オシャレなカフェやバーで食事とお酒を楽しみ、夜な夜な街へ繰り出して

リア充な友人たちと遊び、仕事もMacを使ってオシャレなWorkをこなす毎日。

 

しかし現実は、給料は毎月5,000元、家賃は高すぎてひとり暮らしは無理なので、

ルームメイトとシェアリング、スタバは高いのでファミリーマートで売っている

豆乳を飲み、夜は残業で街に繰り出す時間も、お金も無い。

Macは使ってるけど、上司やお客さんから追いかけられ、必死になりながら

仕事をこなす毎日。

 

勝手な想像ですが、今の20代中盤から30代前半までで、

地方から上海、北京、深セン、広州などに出てきた若者は、

だいたいこんな想い、心の矛盾を持っていると思います。

中には下記で書いたような、もともと大都市が地元な人もいますが・・・。

 

www.china-b-japan.org

 

 

そんな時、この「日食記」や「一人食」の動画を見て、料理をすれば

ちょっとほっこりできて、オシャレな雰囲気を味わえるかも、

なんていうモチベーションが働いて、このような動画が流行っている?

のかなと思います。

 

まぁどこまでいっても僕は日本人なので、ほんまの彼ら・彼女らの

気持ち、感情を深層心理で理解できないんですが。

 

いずれにせよ日本人の僕から見ても、この動画、好きなテイストです!

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