中国政府が運営する機関に「中国互联网络信息中心(China Internet Network Information Center)」というものがあります。
6ヶ月に一度、自国のインターネットの発展状況について「中国互联网络发展状况统计报告(中国インターネット発展状況統計報告)」という統計レポートを出しています。
2020年4月28日に最新の情報が発表されたので、メモも兼ねて翻訳とポイントを整理したいと思います。
・モバイルのデータ量推移
単位は億GBですが、倍々以上で増えています。
・アプリの掲載量
掲載量という言い方が正しいかわかりませんが、ようは何個アプリがiOS及びAndroid向けにあるか、を示しています。
意外にも2018年→2019年には85万個のアプリが消えています。
恐らく淘汰、または規制強化、と思われます。
・iOSとAndroidの比率
徐々にAndroid向けのアプリがシェアを上げています。
・端末別インターネット利用状況
複数解答なので100%を超えていますが、最も多いのがモバイル。
次にデスクトップ、ラップトップ、と来て、テレビ、タブレットです。
タブレットよりテレビでインターネットを使う比率が高いのですね。
・インターネット利用時間
1週間にインターネットを使う時間です。どんどん増えてます。
2020年3月期では始めて30時間を超えています。
・アプリの使用比率
チャットが1位で14.8%、次に動画(ショートムービー除く)が13.9%、ショートムービー11%でした。
次に来ている网络音频は何を指すかわかりません。
・時間別に使われるアプリ
横軸に時間が並んでいます。
11から13時、17時~18時に出前アプリが突出しています。
また20時から22時ころにショートムービーアプリが上がっています。
TikiTokを中心とした暇つぶし需要でしょうか。
チャットアプリ、ECアプリは日中を通じて高い位置で推移しています。
・光回線の利用数/率
有線によるネットではもうほぼ光回線が普及しています。
・インターネットユーザー数推移
9億を超えて普及率は64.5%です。
日本の総務省によると日本のインターネット普及率は79.8%とのこと。
多分100%は普及しないので、このレベルがてっぺんとするとあと15%も伸びしろがあるのですね。
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd232120.html
・都市部と農村部の比率
都市部が71.8%、農村部が28.2%です。
農村部でのインターネット普及が伸長傾向です。
・インターネットを使わない人の理由
1位:使い方が分からない
2位:ピンイン(中国語のローマ字入力)が分からない
3位:年齢が高いから
4位:設備が無い
5位:必要無い、興味ない
6位:時間がない
・年齢別
・APPの利用率前年比較
大きく伸長したものに赤枠を入れました。上から
・オンライペイメント
・オンライン教育(多分、コロナの影響)
・ショートムービー
・生中継
です。
・ソーシャルネットワーキングサービス
Wechatのモーメント(朋友圈)が圧倒的ですね。
・オンラインペイメント
オンラインペイメントの利用者がグンッと上がっています。
きになったのでcommentを読んでみました。
まずオンラインペイメントが食品や衣服以外の消費にも活用が進んだそうです。オンライン教育、映画、音楽など単価の高い商品やサービスでも使われる機会が増えたそうです。
また海外企業の中国進出も寄与していると書かれています。例えばアリペイは2019年2月に買収したワールドファースト(WorldFirst)により国外への支払いが増加、2019年9月にPayPalが中国の国付宝を買収したことによりプレイヤーが増えたこと、VisaやMasterなど海外のクレジットカードでもWechatPayと連結できるようになったこと、などを挙げています。
・出前、旅行、教育のアプリ
下記は上から出前、旅行、教育アプリの利用者数推移です。
新型コロナウイルスの影響で出前、旅行は軒並みダウン。しかし教育はグイーンとアップしています。
面白いのはこの統計レポートのcommentには何も書かれていませんでした。