2019年2月19日、アリババ集団が中国最大級の投資銀行「中国国際金融股份有限公司(CICC)」の株、約2億株を取得。
アリババは全株式の4.84%を持つ大株主になりました。
1995年6月、中国国内で初となる中国資本と海外資本の合弁投資銀行。
発足当初は、中国建設銀行とモルガン・スタンレーによって資本は構成されていました。
2005年には南方証券をルーツとする中国投資証券有限責任公司が大株主になり、
この際先に上げた株主はほぼ株を中国投資証券有限責任公司に売っています。
2015年には香港証券取引所に上場、さらに2016年には大株主が中央匯金投資有限責任公司へと移ります。
中央匯金投資有限責任公司は中国政府が資金を投じて作った投資会社です。
2018年中期財務報告書に記載されている株主構成を見ると下記の通りです。
匯金:55,684%(中央匯金投資有限責任公司の略)
Tencent:4.95%(Wechatを運営するテンセント)
※今回ここにアリババが第三位の株主として入る
TPG:4.096%
GIC:3.772%
中投保公司:3.043%
名力:2.923%
今回、アリババ集団が大量に株を取得したことにより、Tencent社に次ぐ第三位の株主となりました。
このニュースでの記事では
アリババ側は「中国国際金融股份有限公司(CICC)は中国トップの投資銀行として、金融サービスだけでなくテクノロジー、データ領域に優れたノウハウの蓄積がある。これを取り入れアリババの価値を高める。」
中国国際金融股份有限公司(CICC)側は「我々は国内外で長期的な株主として投資先の会社の成長をサポート、見届ける。情報テクノロジーサービスのパイオニア企業(アリババを指す)との提携は積極的かつ開放的に行い、今後の金融領域におけるイノベーションを加速させていく」
と書かれています。
つまり双方にとってメリットがある資本提携である、のですが、もっと違う視点が必要と考えます。
「中国国際金融股份有限公司(CICC)」は、その経緯を見てわかるとおり、国策に通づる会社であると思われます。
ご存知の通りテンセントやアリババは、ゲーム、EC、決済システムなどを通じて、
世界中にそのビジネスを広げています。
テンセント、アリババ自身も投資会社として、国内だけではなく海外の企業に出資をしています。
僕が考えるのは、国策としてアリババ、テンセントといった海外に大きな金脈を持つ会社を中国国際金融股份有限公司(CICC)の大株主とし、自身が持つ巨大な資本力で以て、これまでアリババやテンセントが培ってきたテクノロジー領域への投資を加速させるのではないかということです。
更にこの投資の原資は中国自体が持っているので、今後海外企業が稼いだお金を手中に収めるのではないかと考えます。