短いですが興味深いニュースなのでブログに書きます。
僕は行ったことが無いのですが、北京に「天橋百貨」という老舗百貨店があるそうです。
マップで見ると北京市内のほぼ真ん中に位置しています。
経営がうまく行ってなかったのか倒産し、裁判所の決定に基づいて、
土地使用権が競売にかけられていました。
事前に行われた試算では5.6億元(現在レートで約87億円)ほど価値があると目されていたのですが、4.48億元で入札スタート。
が、期限になっても誰も入札せず、結局流れてしまったそうなのです。
こんな北京のど真ん中にある土地の使用権(多分、経営の種類は商業施設として制限)を
誰も要らないという時代になったわけです。
建物も1953年建築、2008年に改造されたとは言えかなり老朽しているようなので、
誰も入札しなかったのでしょう。
世界的にオンライン消費の成長が著しく、殊、中国においてはその比率が更に上がっています。
iRserch社が2017年11月に出したレポートです。
水色の線グラフが全小売業におけるネット小売の占有率推移です。
2012年時点では5.6%だったのが、2021年では推定19%になると予想されています。
で、実際はどうなのかと言いますと、もっと早く進んでいます。
下のグラフを見てみて下さい。
同じくiRserch社の2018年に出たデータです。
2018年第二四半期(2018年4月-6月)の小売業全体の市場規模を足し上げて見ると、
だいたい6兆元(毎月2兆元)あります。
次にオンライン消費の市場規模を見てみます。
2018年第二四半期では1.9兆元がオンライン小売で発生しています。
1.9兆元 ÷ 6兆元 = 31.6%
つまり既に31.6%がオンライン小売に占有されていることになります。
第二四半期には618と呼ばれるオンライン小売キャンペーンがあるので、
他の四半期と比較するとオンラインの比率が上がる傾向があると思いますが、
それでも31%というシェアは、予想を遥かに超えるスピードで中国の消費者が
オフラインではなくオンラインで買い物している、ということが伺えます。
このことから、既に北京の中心地ですら、百貨店のような伝統的な店舗は不要
ということになっていると思われます。
中国のLOUIS VUITTONですら、徐々に店舗減らしていますからね。