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ニュースになっていましたが、上海高島屋が上海から撤退するそうです。
最初は判断が遅い、などとつぶやいてしまいましたが、運営に携わっておられた
当事者の方の悔しさを想像すると、撤退の英断に敬意は払わなければなりません。
百貨店激戦区の上海にチャレンジされたことも尊敬します。
さて、ニュース記事には撤退の理由として
「米中貿易摩擦などの影響で業績改善も見込めないため」
とコメントされていますが、私はこれが理由ではないと考えます。
これは2013年に私がオープンから1年も経たない間に行き、書いた記事です。
私はあれから上海高島屋へは一度も行ったことがなかったのですが、
Twitterでも他の方から
・いつもあそこはガラガラだったから
・人全然入って無かったから
といったコメントが見られました。
つまり米中貿易摩擦が始まる前から、既にヤバかったということだと思います。
私が書いた記事には立地が悪かった、などの小さな要因が書いてありますが、
もっと大きな要因として
オフライン小売全体がシュリンクしているから
と考えます。
先日もこんな記事を書きました。
www.china-b-japan.org
この記事ではiReserch社のデータを参考に、2018年第二四半期時点で既に
全ての小売消費のうち、30%近くがオンラインで行われていることを書いています。
この大きな趨勢こそが、上海高島屋を撤退と導いたと考えます。
商売にタラレバはありませんが、もし高島屋が上海ではなく、昆山、蘇州、無錫、杭州、寧波など上海周辺の市内ど真ん中に出店していたら、
また2012年ではなくあと2,3年早かったら、もしかしたら違った結果になっていたかもしれません。
上海は競争が激しく、国内百貨店も多数ひしめき合っています。
上海に住む人達は既に目が超えており、よっぽどのトガッたブランドや目玉となるものが無いとわざわざ足を伸ばしません。
また、静安寺や南京路、中山公園、人民広場エリアがショッピングとして機能が集まっていますが、このエリアは家賃がバカ高く、採算度外視でやらざるを得ません。
人件費も上海エリアと新幹線で30分の蘇州では人件費は業種によっては2倍近く変わってきます。
なので上海はどうしてもコスト高になってしまい採算が合いません。
一方、上海周辺のエリアでは、地代も上海と比べると家賃は半分以下で抑えられるでしょう。
また上海ほど百貨店が無く、新しいお店ができただけで物珍しさから足を運んでくれたでしょう。
が、これも2012年時点では物珍しさでは、客が来ないかもしれません。
僕がもし高島屋の意思決定者だったら、
・2010年より前に
・上海周辺の都市の
・中心部に出店
という意思決定をしていたと思います。
ただこれも、僕が当事者ないから言えることですね。