中国版Getty Imagesの「視覚中国」の株価が10ポイントも下落しています。
これは人類が初めて撮影したブラックホールの写真が原因でした。
今中国で話題になっているこの事件の事の顛末を紹介します。
イベント・ホライズン・テレスコープによって撮影されたブラックホールの写真が発表されます。
ブラックホールの写真が中国版Getty Images「視覚中国」にアップされます。
この写真の版権について赤枠のように記載されています。
この写真を商業用途で使用する場合は電話でお問い合わせください。
版権の所有権:1995年-2019視覚中国
この写真が10日夜に発表されてから、多くの公众号(Wechat上のブログ的なもの、企業が商業目的で運用しているものも多数ある)で取り上げ、写真も使用されていました。
ブログを運営する人が、視覚中国の版権の表記に気づき、視覚中国のカスタマーサポートへチャットで連絡します。
(版権は視覚中国にあるので)ニュースサイトで使用する場合は800元、商業使用なら3,000元以上が必要だ。
と回答しています。
この内容を中国版TwitterであるWeiboでアップしたところ、盛り上がり始めます。
中国政府機関の公式Weiboが@視覚中国とした上で、
「国旗」の写真も貴社の版権ですか?
蘇寧電器が写真だけを付けてWeiboで発信したり、
ニュースメディアである鳳凰、検索エンジンの百度、
360、新浪などが続いて、視覚中国をやり玉に上げ始めます。
視覚中国がWeiboで声明を出します。
ブラックホールの写真はイベント・ホライズン・テレスコープに帰属します。
視覚中国はパートナーを通じて「編集類」の権利を得ました。
またこの写真は独占的ではなく、他の媒体なども権利を取得しています。
しかしこの写真はニュースで使用できるものであり、未許可で商業使用はできません。
商業使用とは広告などで、視覚中国はこれらの使用を発見した場合には追求をするかもしれません。
そして4月11日20時ころ、視覚中国のサイトにアクセスできなくなります。
これは今でもつづいています。
中国の株式市場が閉まります。
結果、視覚中国の株価は10ポイントの大幅ダウンとなりました。